「356日」のパン
代々木公園の大人気パン屋さん「365日」杉窪章匡氏の本です。
杉窪さんに興味を持ち始めたきっかけは、雑誌カフェスイーツに連載されていたコラムを読んでから。
それで経歴を調べたら、東京で働いていた時に好きだったパン屋「デュヌラルテ」のシェフだったとのこと。
当時、フランス料理店「カムシャングリッペ」の浅野シェフがプロデュースしたパン屋さんがすごく話題で
いろいろ食べ歩いたことを思い出しました。
そんな思いでもあり、この本を購入して読んだのですが、読んでいたらますます興味がわいてきました。
「常識を覆す、作り方の理由を初公開」と帯に書いていますが、杉窪氏いわくパン作りには迷信が多いんだそうです。
・グルテンを強くして大きく膨らませることが本当に必要?
・できるだけ発酵させない!
・パンチ、ベンチタイムも必要?
・冷蔵障害のボツボツは味には問題ない!塗卵は必要ない!
などなど、今までパンを作るためにはこうしなければいけないみたいな常識を一つ一つ論理的に説明しながら、
必要のないもの、味や購買意欲に関係のないものは製法を変えています。
そして、人気の定番メニューについて、ひとつひとつレシピや製法、考え方などを丁寧に説明してくれています。
そこまで読んでしまうと、やっぱり食べたくなってしまいます。
ということで、行ってっきました!
先日オープンした、日本橋高島屋の別館に「365日と日本橋」という系列店が出ています。
この人だかり!やっぱり人気店です。
(左)クロッカンショコラ (右)ブリオッシュ
パンは全体的に、小ぶり。
美味しいパンをいろいろ食べてもらいたいという意図からです。
特においしかったのが、この右側の「100%=ソンプルサン」というパン。
水の量がベーカーズパーセントで100%の配合、つまり水と粉が同量の吸水たっぷりのパンです。
食べた感じは餅のようにモチモチ食感。
粉の味も感じられる、食べたことのないようなパンでした。
感じたことは、もっと国産小麦を売っていきたいということ。
お店のパンは基本国産小麦を使用しています。
北海道産だけではなく、まだまだ発展途上の九州産も使っています。
そうやって、国産小麦のよさをしっかりと引き出しながら使いつづけることで、生産者さんがより良いものを作ろうとして
産地とパン屋、両方で発展していこうという考え方からだそうです。
一流は、考え方も一流ですね。
見習いたいと思います。